胸がくぼんでいる

生まれたばかりの子犬の胸の真ん中がくぼんでいて、呼吸がしにくそうだという事で相談を受けました。

実はこの子の母犬は前回のお産でも、こうした状態の子犬をうんだことがあり、

残念ながらそのうちの一頭は亡くなりました。

胸骨(みぞおちの上にある骨)が肋骨より内側に落ち込んだ状態になることをろ斗胸と呼び、

遺伝的な原因が考えられています。

また不安定な床表面に起立した子犬では、「遊泳症候群」の素因になるとも言われています。

その他の原因として、気道が狭い犬にも、胸腔内に陰圧がかかるため、ろ斗胸になると言われています。

発育とともに呼吸困難が改善されれば良いのですが、重度の変形があり、呼吸困難が改善されない例では

外科的処置も考慮されます。

                    

             これが患者さんのレントゲン写真で、本来点線の位置にあるはずの胸骨が、

             実線の位置にまで、落ち込んでいます。(ややローテーションしているので

             強調されていますが)